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デザイン雑記帳

富岡史棋デザイン室/日々のアイデアと記録 

2009.12.27[日] HIKESHI ピースアド 「Article 9 is human security, not state security」

戦争を予防する HIKESHI のピースアド制作案件【その2】です。(【その1】もご覧ください。ピースアドについて説明しています)

わたしは、HIKESHIクリエイター兼事務局として関わっています。実は今回、同時にふたりの学生(日本の女性とノルウェーの男性)分を、偶然にも同じテーマ(憲法9条)で担当することになったのです。「日本」と日本の外の「世界」からみた憲法9条。貴重で面白い経験となりました。

このページでは、ノルウェーの男性、グンナールさんのピースアドをご紹介します。




●テーマ:憲法9条


↓グンナールさんのコンセプト

Article 9 is human security, not state security
Weapons of mass destruction are weapons of state.
These weapons are aimed at cities inhabited by humans.
For our joint human security, Article 9 provides the mechanisms
we so sorely need to enable a society free from fear.

憲法9条は、国家の安全保障ではなく、人間の安全保障
大量破壊兵器は、国家が使う兵器です。
これらは、人々が住んでいる街に対して使われます。
憲法9条は、人間の安全保障のための手段となるものです。
恐怖に脅かされることの無い社会を実現しなければならないのです。

Presented by Gunnar Rekvig




●できあがったピースアド


●A1ポスター (クリックで拡大表示)

article9_poster_fin_1.jpg
↑半円スマイリーマーク、笑っている顔。もう半円に日本が中央にくる世界地図、日本のかたちが「ハ」の字で、困った顔にも見える。それと、超細かいはなしで恐縮ですが、基本使用書体は、わたしは普段あまり使わないけど、世界中でよく目にする「Helvetica Neue」。「9」のカウンター(くるんと囲まれた輪の中)のかたちが正円に近くて一番バランスがよかったので、これを選択。ガツンと強く、「Helvetica Neue」ファミリーで構成しました。


●ポストカード (クリックで拡大表示)

article9_postcard_fin.jpgarticle9_postcard_fin_atena.jpg
↑ピースアド、このメッセージを伝え、広げるために、500部程ポストカードにして印刷しました。グンナールがカフェとかに置いてもらえるようにするとのことです。みなさんも、どこかで目にすることがあるかもしれません。もちろん「Take free」


article9_poster_2.jpg
↑detail: 広島・長崎の原爆、キノコ雲、黒こげになった少年

article9_poster_3.jpg
↑detail: ゴッホの「ひまわり」





●アイデアメモとスケッチ


article9_sketch_1.jpg

article9_sketch_2.jpg





●デザインノート


「9」の表示だけで、憲法9条を連想する人が一体どれくらいいるだろうか? あたかも「9」が、全世界共通の9条のシンボルであるかのようなビジュアルです。ノルウェー出身のグンナールさんによる「日本の外からの視点」を持ったメッセージは、とても力強い。ビジュアルも遠くでみてガツンときて、近寄ってよくみると考えさせられるような二段活用風。白黒、左右の二項対立のようで、そうじゃない意味を持つメッセージ。世界は9条をどう捉えているのか? と、考える契機になりました。グンナールさん、貴重な経験をありがとう。

富岡史棋


How many people can associate the Article 9 of Japanese Constitution just with seeing the number “9”? This poster provides vivid expression as if a number of “9” means our universal symbol of the Article 9. Message form Gunnar, who is from Norway, contains the view point which is other than Japanese. It is very strong. It has a big impression from a distance by the picture of poster and if we look it closer, it has also thought-provoking description. This message looks contrasting the two aspects: White and Black, Left and Right but the real message is more than that actually. This was a good opportunity for me to think about how international society considers the Article 9. Gunnar, thank you for giving me this valuable experience to work with you.

Designed by tomi (fumitoku)





●個人的おすすめ関連リンク

伊勢崎賢治の平和構築ゼミ「第1回:グンナー・レークビックさん(ノルウェー出身)」
↑おー、これを知らずに制作しました。(まあ、いいか)
9条世界会議 ダイジェスト
▶ 9条世界会議 記者会見1 記者会見2
映像ドキュメント.com「戦争を廃止するための9条世界会議」
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